2005-03-01 (火)
初救急車
【要約】
救急車で運ばれました。
でも今はもう大丈夫です。
では本編。
仕事を終えて帰宅。
サフさんが夕食を作り始め、アタシは部屋着に着替えてソファベッドにごろり。
テレビをつけてボーッと見始めてたところで、突然のどがしめつけられるような痛み。
途端、背中も同様の痛み。
かと思ったら、胸、肋骨まで痛い、苦しい。
みるみる耐えられない痛みに。
「い…た、い、やばい…かも。いってえ…ええ」
「なに? 頭痛?」
「ちが…う、背中…が…、ちょ、背中叩いて…つまってる…」
「背中? 何? どうしたの?」
「わ…からん…、わ…からん…、いてえ…」
と背中を殴ってもらっても痛みとれず。
左手までしびれてきた。
立ってみたり横になったりと姿勢を変えてみても変わらず。
というか、なんか、なんていうか、だんだんまずい感じに。
あれ、これ、やばいかも。
「タクシー…、は無理、かな…、無理、だわ…、きゅ、う、きゅう、しゃかも」
「救急車?」
「いや、あ、でも、やっぱり救急車かも…」
ってことになり、人生初救急車を要請。
混んでたらしく「少し遅れます」とのこと。
しばらくしてサイレンを鳴らして救急車到着。
救急隊員に症状を説明(サフさんが)。
脈拍計と心電図マシンを装着。
「T波に上昇が見られます」
T波って何よ。
すぐに担架かなにかで救急車に載せられるかと思ったらそうじゃなく、家の中でいろいろと。
最終的には担がれて救急車へ。
そしてこのあたりで痛みの発作(?)がおさまった。
救急車の中で受け入れ先病院を探してもらう。
これがちっとも見つからない。
結局救急車の中で1時間以上。
やっとのことで見つかった受け入れ先へ。
レントゲン、そして心電図。
少し待ったあと、当直の先生に呼ばれた。
「サカイさんですね。心臓の疾患の疑いが濃いです」
まじすか。
「食べ過ぎですね」とかそういうのを期待してたんだけどなあ(何も食べてないけど)。
この医者がちょっと変わった感じの人で、例えて言うなら「鉄道員より鉄道に詳しい鉄道マニア」みたいな感じ。
つまりマニアっぽいというかオタクっぽいというか。
「はいはいはい奥さんもこっち来て。では深夜の医学講座、始めまーす」
パチパチパチー。
「じゃあ心電図見まーす」
「はい」
「ここにペースメーカーがあって、ここからこうやってトクンと来て、それで心臓がはい、ここでドックンとなります」
「はあ」
「この最初のP波から次のQ波の間のここ、これ通常は目盛りでいうと3つくらいなんですが、サカイさんの心電図でいうと、いち、に、さん、5つくらいになってます」
「はあ」
「今はもう落ち着いたということですが、サカイさんが苦しかった時に救急の方がとった心電図で『T波上昇』って言ってましたよね」
「言ってました」
「それがここのS波とT波の間のこれ、水平な部分がありますよね。これが上昇してたということです」
「はい」
「一般的に、このST上昇がみられるのが…」
「はい」
「心筋梗塞です」
ここでテレビドラマなら「がーん」というところだけど、アタシってばいまいち心筋梗塞(の怖さ?)をよく知らない。
心臓イラストパネルを取り出す。
「これが心臓ね。こっちが右心室でこれが左心房…」
心臓は全身に血液を運ぶポンプなわけだけど、その心臓自体も活動しているので心臓を動かすための血管というのも走っている。
手や足に血が通わなくなれば手先足先が壊死するし、脳に血液が運ばれなくなればあっという間に脳が死ぬ。
同様に心臓に血がいかなくなれば、心臓も死ぬ。
これが心筋梗塞、と、確かそんなような説明。
「死にますよね?」
「死にますよ」
死ぬとこだったよ。
っていうかね、痛くなって5分待ったのね。
5分経ってもおさまらなかったら救急車かな、って。
で、サフさんが呼んでくれたんだけど、それから2〜3分経っても痛みがおさまらなくて、そん時「やばいかも」と。
うわーこんな風に逝くのかー、と。
走馬灯まわんねえなー、ってことは逝かねえなー、とか。
blocとかその他ネットの諸々のパスワードをサフさんに伝えておかないと、とか。
今逝ったら、葬儀、誰が来るかなあ、とか。
いや、やっぱ逝くのヤダなあと思ったら泣けてきたねえ。
「サカイさん、お酒は?」
「飲みません、というか飲めません」
「煙草は?」
「1日1箱弱」
「やめましょう」
きたよ。
「なんてね、僕も吸うんで強く言えないんですが、減らしてください。どうしてもという時の1本だけにしましょう」
なんだよー、こんなことで禁煙するはめになるとは思ってなかったなあ。
アマノジャクなアタシは、今たばこを辞めるのだけはいやだったんだけどなあ。
「とにかく、明日絶対に必ず循環器系の病院で検査してもらってください。これは脅しです。絶対です。約束できますか?」
「はい」
「では、ほんとは1泊してもらうのですが、これでお帰りいただいて結構です。今晩は安静にしていてください。今夜はHは禁止ですよ」
何言っとんじゃい、と思ったけど、まあでも念のため言っとかなきゃいけないことのひとつなんだろうなあ。
以下、翌日のこらない:心臓検査へ続く。
【解説】
心電図 - Wikipedia